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2023/11/27 19:04




今週土曜日・日曜日に渡り、HELMUT LANGの過去作品、ヘルムートラング自身本人によるデザインがなされていた頃のアーカイブピースを数十点ほど入荷させていただきました。



既に売れてしまった物も多くあり、大変嬉しい限りです。





さて今回は近年、HELMUT LANGのアーカイブが注目されつつある中で、なぜ注目されるのか、なぜ本人期が良いのかを少し私自身の見解をお話できればと思います。

結論申し上げますと






HELMUT LANGの魅力はファッション業界から逸脱したアート的文脈が内包されている点」です。





彼が活動を始めていた70〜80年代にかけて、アート界はポスト・モダニズムといった伝統的なアートから脱却すべくアート活動を行う考え方が主流となっていった時代で、伝統的な芸術は実は王族や貴族の嗜みといったヒエラルキー的な要素が内包されている特徴がありました。日本でも教養を持って初めて理解に値するような和歌などが近い物として挙げられると思います。



そういった価値観からの脱却を試みるべくポスト・モダンの概念を浴びるように時を過ごしたヘルムートラングはファッション業界でもそれを体現しようとした点です。





80年代より女性の社会進出などでファッション業界はより身体のラインを意識するようなボディ・コンシャスな服装へトレンドが向いていました。ジャンポールゴルチエなどによる装飾を施すための服も風潮として確立される中、ヘルムートラングは装飾というファッションにおける伝統的な要素を削ぎ落としたミニマルな洋服、いわばポストモダン的な取り組みを服に落とし込んでいます。




90年代のHELMUT LANGの特徴としてミリタリーやパンクといった高級志向ではなく大衆に向けたカルチャーなどにリファレンスをかけた点に着目しても面白いかもしれません。これもポストモダンの表現の一つであると考えます。





ペンキデニムなども労働者階級のそれに当たります。






また90年代にパリへ活動を移した際にイエローキャブ(タクシー)に広告をするなど、当時のブランドでは考えられない取り組みを施しました。ここの背景にもポストモダンを象徴するアーティストとの親交によってなされたものになります。



ジェニーホルツァーという言葉による表現を得意としたアーティストでニューヨークの広告電子掲示板に文字のみを用いたメッセージを載せるといったアートなどを当時していたようです。

「ジェニーホルツァーによるNYでの電子広告」

ここまでファッションとアートの距離を密接にさせたのは間違いなく彼の功績であり、また現代の服飾によるアーカイブという概念、わずか20年前後しか経っていない作品にアート的価値をもたらしたのも少なからずあるように思えます。

そういった文脈も含めて、当店で扱うアイテムをお楽しみ頂ければ幸いです。

今回は概念的な話になりましたが、次回は私自身が感じた日常におけるHELMUT LANGの魅力をお伝えできればと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。


CETTEN 代表 荒井

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