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2024/03/25 19:05

この度、CETTENではsteel plastic artist高松威『slow・select・frow』を3/23(土)より開催致します。
今回は芸術大学時代の過去作から、新作のfrowまで様々な年代の作品を展示します。
高橋威が生み出す『鉄立体』の造形美を感じる個展に是非お越し下さい。




【作家紹介】
私は鉄の板を火や工具を使わず、手で曲げて作品にしています。手で曲げていると鉄の硬さに負けて、思い通りのかたちの方向に造形出来ないことがよくあります。
生身の力では硬くてかたちが変えられないことや、鉄が錆びていくことの”どうしようもなさ”を気にしてしまいます。そのどうしようもないことのなかで、道具や機材を使って出来ることを広げたものをつくるやり方よりも僕が選び取れる物事は豊かに思えてくる時があります。それは等身大をそこに見ているからかもしれません。

【展示コンセプト】
自身の選び取った生活があるとすると、その選んだものの周辺に取りこぼしたものが散らばっている。それは忘れてしまったものや、見えていなかったものごと、そういったアンビエント(環境的)なものを身寄りにしながらいまここに立っている。
いまこの時点は様々な豊かな方法を選ぶことが出来ると思う。資本をかけた方法を使えばおもう形は買うことができ、デジタルな空間は現実を拡張して手で触れることが要のように誤魔化されながら見えないものが見える感覚になれる。物質的な新しさは科学のものに、豊かさは工学のものになってしまったのだろうか。感覚や理性の新しさや再評価はメディアの仕掛けなのだろうか。様々な操作があるということかもしれない。
ロザリンドEクラウスの視覚的無意識のように、意識的に操作されるものの外に造形を持っていくことで作家でさえも"別の”価値を考えることになる。鉄の硬さに負けて造形できないように操作して、かたちを流すしかできないパフォーマンスしているようにも思う。
選びとったものだけが狭義的に自身を物語る。アンビエントなものが目につくこと自体、流れに抵抗している態度なのかもしれない。

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左から キュレーター「脇登威」 アーティスト 「高松威」 オーナー「荒井祥太」

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今回はキュレーターの「脇」氏をインタビュアーとしてオーナーの「荒井」とアーティストの「高松」氏との対談を記録しました。



ぜひご覧ください。



〜高松さんのバックボーン、初期衝動的なものから聞かせていただいていいですか?〜

高松 :父親と祖父が設計の仕事をしていて、祖父は鶴浜のIKEAの横にある長い赤い橋を設計してたんです。
なんていうか、鉄とかっていいなみたいな。
でかい鉄みたいな枠組みで、すごいかっこいいものを見るっていう衝動があって。
そん中で自分はできんのなんやろうなとか思っていて。

僕が高校入る時にロボットアニメがやってて、調べると出てくるわけじゃないですか。
それで、インダストリアルデザイナーとかって色々調べてめっちゃかっこいいなと思って、それで工業高校行こうと思って。でも、いざ入ってみたらシャーペンとか手元の量産できるもののデザインをやるってやつで、めちゃくちゃ嫌だった。
だから、アートな方法でも作りたいなとか思ってた時に、僕の高校に自動車部があって、その部活って溶接できて。
それでその先に鉄が使える美大って、金沢か大阪芸大しかなくって、大阪でもして、で、鉄をやっていくっていうか、そん時に、そこでずっと使ってたのが鉄だったし、工業の中で鉄ばっかり触るし、 工芸じゃない、美術っぽい彫刻、立体みたいなところで鉄を使うとすごく自由で、自分がやりたいことができるんじゃないかなみたいな。

荒井なんかあれですね、どちらかというと、その、男のロマンに惹かれるみたいなところがめちゃめちゃありますよね。やっぱりかっこよさみたいなところ、すごい求められてるところがやっぱありました。なんか、ガンダムでもかっこいいじゃないですか。

高松:かっこいいです。 


荒井: だから、論理的に、歴史的にもこうやからかっこいいとかじゃなくて、そんなのなくてピュア。 
すごいピュアっていう言葉がなんか似合うようなもの作りをされてるっていう感覚がすごくいいですね。曲げないところ。なんかそれを売り込んで、じゃあ僕売り込むから、かっこよさっていうところを追求せずに、もっと論理的に売るというよりこう。うん、これっていいよねっていう提案で、ちゃんと自分の軸もって。


高松 :そうですね、素直。素直な中でどれだけ等身大のままやれるのかって、今ってすごい難しいと思う。メディアも脚色してくるし。


荒井: うんうん、


高松: 武器になるじゃないですか。こう、差し立てれるような何かがあれば、 見つけれれば、もう少しここでいい場所に


荒井: そうか。男心いいっすね。男心くすぐるとかっていうな。ポイントが すごい。なんかボルトの感じもすごい。

: 確かにそう。 


荒井: 僕も一緒で結構服色々着たりしてきましたけど、やっぱり自分が作りたい服があるとしたら、ここにジップがついてて、袖が取り外しできて、で、ここまであるあるじゃないですか。


高松: たしかに


荒井: ただ、これに違う素材の袖が付けれたりとか、違うものをつけれるみたいな、 なんか、なんていうの。プラモデル作ってるじゃないですけど、みたいなところの男心みたいなのはすごい大事にしてたっていうか、感覚的に持ってます。


: だからこそ、今回の個展するときも、CETTENは、祥太くん(荒井)が手がけてこういう雰囲気でっていうものと、高松さんの作品とが、なんかすごい 空間としてマッチしてるなってことをするから、

なんか潜在的にそういう意識的なところで、その、が共通する部分があったから、今回はなんか最終的にまとまった感じがいいか、その、男臭さというか、 その、ロマン的なところも残ったんかなっていう。


荒井: 概念で細かくやるっていう、ほんま機能的な素材で、これ落としたらこういう色になるんですよみたいなところの こだわりみたいなところ。


高松: そうですね、


荒井: エアブラシでこの色とこの色混ぜたら、このこの分量で混ぜたらこの色出るんよ、みたいな。 
なんかすごい好きっす。
そこがほんま好きだっていうのがありますね。

高松: それは、なんか伝わったらいいなと思いますね。


: そうっすよね。なんか、来てくれるお客さんにも、なんかその設定のお客さんが、その 高松さんに興味持ったりとか、やっぱその、かっこいいなあと、いいなっていう、その最初の初期衝動になったらいいと思うし、 言うたら、アート好きな高松さんのお客さん、アート好きな方が来た時に、すごいそのファッションとのその親和性やったりとか、そういうところを見れたらいいと思うし、なんか


高松: 「モードの体系」って本を最近読んでたりとかしたんで、なんかそのタイミングで ファッション関係の場所でやれるっていうのがすごい。なんていうか、クリティカルなタイミングだったし、




: CETTENもだいぶ、取り扱う洋服がモードっていうか、そういう最先端なファッションの関係、かつ、しかもなんかちょっと、、
 
荒井武骨さ、武骨なんすよ。すごい曲線美あれやったりはするんですけど、やっぱりね、なんかで、 やっぱり使う素材は革だったりデニムだったりで、、

荒井: 多分僕の潜在的に出てたそういう価値観が反映された、 いわゆる、おこがましいですけど、そういう空間作りみたいなところだったと。

で、その、錆びていく姿というか、経年によって出る作用みたいなところの、 やっぱり、愛じゃないですけど、なんかそこはやっぱりすごく良くて、新しいからいいとか、古いからいいとかっていうよりも、その、 過程とか、なんかそういうところも楽しんでもらえたらいいなっていうのがやっぱりうちだったので。だから、あえて古民家を改装して、自分らでやっぱ作っていく様みたいなところは、やっぱりスタッフ自身の想い、僕自身の思いもやっぱ記憶として色濃く残ってたりっていう空間で、 そういうマッチ的なところはすごく勝手ながら共感させていただいてるところは大きいですし。

でもやっぱりお客さんにはすごい感覚的に感じてもらえたらいいなって。これがどう、これがええやろっていうよりも、いいよね、これもいいよね、あれもいいよねっていう ものでの判断。判断だって逆にしないでほしいというか。そうですね、


高松: 最近あげてた循環機能ってタイトル 1番わかりやすくて。

: 本当ですか。大体まとまってそうですね。

高松: 循環機能ってタイトルいいな。

荒井: 嬉しいっすわ。そうです。



高松: でもやっぱなんか、その、ゴミ拾いの活動とかですね、状況って、背後にすら気づかないというか、その状況のまま行くというか。なんだったら、拾って、そのアンビエントに関与してしまうから。

アンビエントだけど、流れの中で1度その場所に立ち止まって、それを拾うっていう作業をしていくっていうのは、うん、すごい。なんていうか、流れに抵抗してる感覚です。

そこに関与していくと。だから、そこそこに関与するからこそ、その活動自体はストリートの雰囲気を漂わせてるし、うん、そこに馴染んでいくっていう。消えていくっていうのは、そのアンビエントそのものがそういう状況だから。

なんかこう、瞑想的な手つきがあるっていうのは、作家の皆さんもそうですよねって書かれてた通りです。

: うん、それはそうだと。


荒井: そうですね、結構そこに関しても、おっしゃるように、その自然の流れっていう中でのその街並みの流れなんですけど、僕が抵抗っていうものの存在として入るっていうこと自体が、ほんまに正しいんかなっていう思う瞬間みたいなのもやっぱりよく感じてます。それはそれで、やっぱり直接的な表現をすると、ゴミ業者がいるわけだから。

僕がいなくても回収されるし。みたいなんで、僕も別にゴミ拾いしなくても、自分で瞑想しに行けば、別にそこに何か都市に介在することなく自分の心を得られるっていうところもやっぱ実際問題あったりするんですよね。

なんで、最近はあえてゴミ拾いをちょっと1回遠ざけてます。そこに関してはおっしゃるようにそこに抵抗です。なにが本当に正しいのかって自分の中の答えが見つけれてないんで。当時ゴミ拾いしてた時に感じてなかった。そこに対して感じてなかった僕は、おそらく人との多分関わりみたいなものを多分求めてたのかなみたいなところもあったりだとか。

空間がアンビエントするっていうところ、多分、んー、自分の置き所を求めてたのかなっていうのは、当時(ブログを)書いた時とか、ちょっと前に起業した時から、ゴミ拾いしてる自分はいたのかなっていうのを感じていて。
だから僕も実は今、その活動に対してあえて懐疑的になることで自分がホンマにどうありたいのかっていう。それこそ高松さんみたいに作家で自分がどうありたいか、誰になりたいかじゃなくて、なんかそこの感覚の答えを見つけ出すために。
今回はすごい高松さんと一緒にやらせていただくことで、学ばせていただけるところなんじゃないかな。

高松: なんかその抵抗っていう、しっくりしてるんですか。やっぱその状況に対して

荒井: 来ますね。これはある種そのバンクシーみたいに、やっぱ話題性みたいなところに、やっぱ街の中では、その街の一角の中では、やっぱり何してる存在、ようわからん存在っていうところでの目の引き方をするんです。

それってすごい、何かおっしゃってたように、鉄であるものにはあえて手で曲げて加えてますみたいな感覚と多分一緒やと思うんですよ。

要はパフォーマンスアートみたいな話なんですけど、それって今の自分が表現するにはやらしすぎるとか、なんかその直接的な表現っていうのが自分の中でしっくりくるかどうかっていうのはしっくり来ないイメージですけど。


高松: 戦後美術の初、鶴見俊介っていう哲学者がいて、
「プラグマティズム」っていって、経験する実践主義というか、はい経験主義の人で。
鶴見俊輔はめっちゃ有名なんですけど、その人は抵抗っていう言葉を使って、色々哲学キーワードやっていくんですけど、今自分が経験したことのストレス自体、その前に僕がその人が選べなかったことっていうのを、昔その時に一緒に生きてた人と一緒に喋って、その周りにあったことを気にするじゃないですけど、忘れれない思い出をその自分が経験したことのその周辺のことを、昔の人と喋って思い出す。
思い出すことで、今の自分にはない力を思い出すという。

荒井: 調べてみたら、たまたま辞めた大学の教授でした(笑)

高松: まじっすか。(笑)まあそういう感じで、今の自分、それ以外、今の自分のその周りに思う自分が選ばなかった事実たちがすごい漂っていて、そこを覚えてるかどうかだけで、ちょっと身振りが違うっていうか、やっぱり結局自分が経験したことしかわからないし、手もとにもないし、周りのことっていうのはあっても、忘れちゃいけないというか、それは新しい力を持ち直す方法ではあると。
そういう抵抗の仕方だって絶対にあると。

そういう意味では、なんていうかさ、やっぱ服をセレクトされてる側もセレクトって言葉を使ってもいいと思うし、街中に行ってセレクトする、うん、1番簡単な方法では。


荒井: 確かに。

高松: 価値的なところかもしれないですけど、そういうところでセレクトっていうことを一貫してやられてるっていう感覚はすごいあるし、そういうふうな言葉を使える。


: なるほどですね。


荒井: 先人のなんか感覚との共有みたいなのはすごい僕も意識させていただいてるところがあって、
その時の自分のレベルではこの視点でしか見れなかったものが、なにか少し自分が成長して気づけて、少しだけ多角的に見れるようになった瞬間あって、その時にやっぱり迷いが生じた。だから、今回高松さんとやるってなって、高松さんと共有させていただいた。
なんか少し自分が成長して気づけて、少しだけ多角的に見れるようになった瞬間あって、その時にやっぱり迷いが生じた。だから、今回高松さんとやるってなって、高松さんと共有させていただいて、すごい、自分が何者でありたいのかとか、どうでありたいのかみたいなところを何か答えを出したいみたいなみたいなある種ちょっと哲学的なところがすごい自分に作用してるのが大きかったんで、それこそ今はお話してる間で鶴見さん逆に知ることができたので、ちょっと、多分文献とか、多分彼が書いたものとかもちょっと行ってみたいなと今思いましたね。

高松:いや、よかった。

荒井: 買います。
どの本がいいんすか。なんか結構衝撃受けたというか、もしあれば。

高松:でも抵抗って言葉やったら、「身振りとして抵抗」がいいと思います。



それと別に、「限界芸術論」っていう本もあって、それが芸術関係ではすごい有名ですね。

荒井: 早速Amazonで注文しました。(笑)

: 最後に、本来ななら違うところの融合っていうのが、僕はいいなって思っていて。
だから高松さんのアートが好きっていう人がCETTENに来て、 服もかっこいいな、ファッションいいなってなってもいいし。CETTENのお客さんがファッションを見に来たのに来てアートってカッコいい。こんな作品作ってるのかって感じて、また次の展示も行ってみたいなってなったら嬉しいなっていう風に思っています。
この3週間、 最終的にいろんな人の目に止まればいいなっていう風に思ってます。

荒井:それと、多分1番重要なのは、愛を感じてほしいなという。高松さんが、なんかこれ表現したいと思った、ここのアートの、なんか優しさとか、なんか愛みたいなところに、僕はすごい触れてもらったら。

高松なんかすごいでしょとかじゃなくて、うん、なんかすごいアンビエントの性質っていうものに対して、なんか優しいなとか。美しさみたいなところが感じてくれたら嬉しいな。

なんかまたちがった感覚がもらえたらいいよねっていう。インスピレーションもらえたらいいよねっていうのが、多分するところはそう。

荒井: そうですね。ファッションから見た時には、やっぱそれが1番やっぱりそのうちのテーマである循環っていうところに関してもそうなんですけど、やっぱ僕らも学習させてもらう立場だし、もちろんお客様も一緒に、僕らと一緒に、やっぱりそういう価値観の共有とか成長できる服を着るけど、やっぱりなんでその服を買ってるんやけど、1番上がってんのはマインドだったり心持ちだったりとか、そういう素敵な部分っていうのは、ちゃんとね、何か一緒に成長していければっていうのがCETTENっていう。なので、何か、そうですね、僕もこうやってやらせていただく中で、高松さんにももし、おこがましいですけど、気づきがもしなんかあったりするあの場が提供できればいいなっていうのは、うん、1番僕が心から願ってるところですね。

:そう思います。ありがとうございます。

荒井:でいいのかな。

高松: いいんですかね。

脇: 以上です。











※高松氏の作品は店頭にて購入も可能です。詳しくは店頭のスタッフまでお声掛けください。


◇CETTEN
開催地:CETTEN本店
住所:大阪府大阪市北区中崎西1-7-12
期間:3/23~4/14
営業時間:平日14:00~19:00 / 休日13:00~19:00