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2025/09/08 16:48

こんにちは。
CETTEN スタッフの正本(しょうほん)です。

はじめて Blog
という形で文章を綴らせていただきます。
つたない点や至らぬ表現もあるかと思いますが、
暖かい目でお読みいただけますと幸いです。
                        

「enfant terrible(恐るべき子供)」と称され、
常に時代を挑発しながらも、唯一無二のクリエーションを生み出し、私をファッションの世界に引きずり込んでくれた存在。

Jean Paul Gaultier についてお話したいと思います。

実は、あまりに好きすぎてタトゥーとして身に刻んでいるほどです。笑
それほど私にとって大事な存在であり、多大な影響を与えてくれたブランドなのです。

少し脱線してしまいましたね。本題に戻ろうと思います。






ゴルチエのアーカイブを語る上で外すことのできないのが、このスーパーロングコート。
数々の奇抜な作品の中にあっても、この一着は圧倒的な存在感を放ちます。服好きであれば知らない人の方が少ないのではないでしょうか。

ウールをベースにレーヨンを混ぜ込んだ素材は、軽やかな落ち感を生み、しなやかに揺れる軽さをまとわせています。

コートでありながら重さや防寒性を誇示するのではなく、「装うこと」そのものを突き詰めた存在。
だからこそ秋口から春先まで、長いシーズンに寄り添ってくれます。












首元はピークドラペルでクラシカルな気品を漂わせ、西洋の雰囲気をまといます。
しかし内側には、道着を思わせる結び紐が潜んでいます。

着用の所作にどこか「和」を感じさせるこのディテールは、親日家としても知られるゴルチエの美意識を思わせます。

若き日のゴルチエは、ピエール・カルダンのアシスタントとしてキャリアをスタートさせました。
そこで出会ったのが、多くの日本人デザイナーやパタンナーたちです。
やがてコミュニティの中に溶け込み、日本ならではの美意識にも自然と触れていきました。

つまり、ゴルチエのクリエイションには出発点からすでに「日本」が深く溶け込んでいたのです。
だからこそ、この紐のディテールや和を思わせる所作は偶然ではなく必然の表れ。
彼自身が愛し、吸収してきた文化が、こうした形で服の中に息づいているのです。






カラーは落ち着いたグレーに薄いストライプ。
控えめでありながら、光を受けるとさりげなく浮かび上がり、立ち姿に奥行きを与えます。






装飾は最小限で、ポケットは左胸にひとつだけ。
一見実用性がないように見えますが、腰の切れ込みからパンツポケットへ直接アクセスできる仕様になっています。

無駄を削ぎ落とすことでむしろ完成するシルエット。
まるで「余計なものを持ち込むな。この美しいラインを崩してくれるな」と訴えかけてくるかのようです。









ショップ店員をしている自分がこんなことを言うのもなんですが、合わせる服は正直なんでもいいと思います。
強いて言うなら、メンズならヒールブーツ。ウィメンズならピンヒール。これで充分です。

着ているというよりは「着られている」――そんな感覚になるかもしれませんが、それでいいのです。
他のアイテムすべてを飲み込んでしまうほどの存在感。

ぜひ、ゴルチエの世界観におぼれていただきたい。

こちらのアイテムは京都店オープンと共にお披露目しようと思っております。

西洋の服でありながら、どこか「和」を感じさせるこの一着と、京都の街並み。
そして当店のコンセプトとの調和を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。

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