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2025/09/24 18:00

2024年より始動した新進気鋭のファッションブランド
HOMO LUDENS。
兵庫県の姫路を拠点とし、その独自の目線での服作りに
ファンが集まっています。
私山下は前シーズンの大阪展示会にて初めて出会いました。
デビューコレクションから一貫されているのが
「宗教観」という概念に対する挑戦。
元より宗教への関心が他国に比べて薄い
日本だからこそ見えてくる
多様な宗教への疑問からコレクションが生まれています。

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ブランド名HOMO LUDENSはラテン語で"遊び人"を意味し、
オランダの歴史学者ホイジンガが提唱した
-あらゆる文化は遊びから生まれた-
という概念がブランドコンセプトに採用されています。
かなり独創的な思想のもと展開されるこのブランド、
そのコンセプトと同居するように
アイテム作りへのこだわりが半端ではありません。
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デザイナーは前田氏と中西氏の二人。
地方のブランドにて様々な経験を積んだ前田氏の
直線的なアプローチからなされるアイテムの基盤。
そこにレディースブランドをメインにデザインを学んだ
中西氏が曲線的な表現を加えます。
この相反するような二人から織りなされる
HOMO LUDENSのアイテムたちは立体的であり、
常に洋服を文化の一つとして捉え
そこに現代の視点から挑戦を続けている印象です。


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"裂き織り"という伝統技法をアイテム制作の中枢に置き、
一つ一つのアイテムに対して
手間を惜しまないファブリック選びを徹底しています。
デザイナー自身が細い稲や糸、草木を用いて
生地を作り服として仕上げる。
あまりに気が遠くなりそうな工程を経て生まれる服も
今回京都店にてご覧いただけます。
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2026SSのテーマは『INCROYABLE』。
直訳すると「信じられないほど奇抜な男たち」
を意味するこの言葉は、
1790年代、フランス革命に翻弄される世の中で
既成概念に反逆し揶揄うように生きた人々を指します。
誰よりも自由に生きる彼らが、もし現代にいたら。
そんな思いつきのような歴史と文化の融合を
思い立ったところに生まれた今回のコレクション。

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私は先んじてアイテムを拝見いたしましたが、
複雑な文脈やこだわり抜いた生地選定を超越して
ワードローブの一着として「着たい‼︎」と思ってしまうのが
このブランドの最たる魅力だなと。
CETTENでお取り扱いするお洋服の中では
少し特徴的なアイテムも多数ありますが、
それらをファッションに落とし込むことを考える過程が
オシャレをする楽しさを最も体感させてくれる気がします。

今期は特に、西欧的なアプローチから生まれた着想に
日本ならではの伝統工芸などを交えた生地選定を重ね、
コレクションアイテムを制作。
アイテム自体の起源はどれも
外国の文化に根付いたものが多いですが、
それでもなお、私はこのブランドに"日本"を
感じずにはいられません。
ファッションの世界において日本は常に
道なき道を歩んできました。
伝統的な洋服の文化がない中で、輸入されてきた文化に
自分たちの色を乗せて発展させ今に至ります。
このブランドは、そんな輸入と発展を
一つのブランド内で常に完結させながら
HOMO LUDENSなりの答えを生み続けている印象。
ある意味日本人だから出来る
洋の服という文化への挑発と共存を
繰り返しているかのようです。

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会期中はデザイナーお二人も在廊予定。
(スケジュールによっては不在の場合も考えられます)
非常に貴重な機会となっておりますので、
ぜひお誘い合わせの上、ご来店くださいませ。
皆さまのご来店、心よりお待ちしております。

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Date | 9月27日(土)-9月29日(月)
Open | 13:00-19:00
Place | CETTEN KYOTO
https://www.instagram.com/p/DO3nUzpkkiE/?igsh=MWY1eDV6eGVra2t0Mg==

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