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2025/12/17 22:50




お久しぶりです。
京都店店長の山下です。

ここ数ヶ月、ブログをなかなか更新できず、
かなり久方ぶりの登場となってしまいました。

気づけば2025年も残り数日。
皆さまにとって、本年はどのような一年でしたでしょうか。

私事ではございますが、
今年は新たなブランドセレクトが始まり、
出会いの多い上半期を過ごしました。
そして下半期には拠点を新たに、
京都にて新店舗を開店するに至り、
たいへん変化に富んだ一年となりました。

CETTENとしても、
4月に新たな仲間を迎え、
新しいチームを作り上げながら
新店舗を構える、立ち上げの一年となりました。

年末、そして来る新年に向けても、
より一層皆さまに楽しんでいただける店づくりに
勤しんでまいります。

今後とも変わらぬご愛顧のほど、
何卒よろしくお願い申し上げます。




さて、そんな2025年。
簡単には終わらせません。

特大のお楽しみをご用意しました。





今週末、SASAKI SATORUとCETTENによる
別注アイテムをローンチいたします。

2025年秋冬シーズンより
お取り扱いを開始させていただいているSASAKI SATORU。

ブランドの拠点が神戸であること、
そして僕自身も神戸出身であることから、
勝手ながら以前より親近感を抱いている
思い入れのあるブランドです。

デザイナーの佐々木さんとも
これまで何度かお話しさせていただく中で、
CETTENとしてお届けしたいと考えている理念と
重なる部分が多くあることを感じていました。

今回、かなり無理をお願いし、
2025年秋冬と2026年春夏、
ふたつのコレクションが交差するこの期中のタイミングで
別注アイテムを製作していただきました。



型は2型、各2色。
ブランドを代表するシグネチャーアイテムを
CETTENとして捉え直し、生まれたコレクションです。

まずは、ブランドのテーマを象徴する代表的な一着、
Imperfection shirt。

半比翼仕様のフロントと、
蛇行するステッチワーク。
「完璧な不完全さ」というコンセプトを
そのまま体現したアイテムです。

そしてもう一型が、
毎シーズン異なる生地で展開される
Single tuck wide trousers。

今季のモデルも店頭では
大変ご好評をいただいていましたが、
程よくワイドなシルエットに、
デニムパンツに見られる
リベットを配した一本となっています。

合理性を求めて生まれたデニムパンツに非合理性を抱き、
無意識のうちにスラックスを作業着として
着用していたデザイナー佐々木さんご自身の
経験から生まれたアイテムです。

今回は、ブランドを象徴する
この二つのアイコニックなアイテムに、
僕のわがままをふんだんに詰め込み、
特別な生地を用いたセットアップ仕様として
仕立てていただきました。







2025年秋冬シーズン、
同ブランドがテーマとして掲げていたのは
ユダヤ系ロシア人の抽象画家、
マーク・ロスコ。

人の内面や感情を色面に託す彼の作品。
そのカラーパレットを忠実に服へと落とし込んだ
コレクションでした。

私たちもまた、
そんな“色使い”と“ミニマル”が同居する
SASAKI SATORUの世界観に強く惹かれ、
お取り扱いに至ったわけであります。

しかし、今回は別注。

CETTENとSASAKI SATORUが交わることで
どのような化学反応が生まれるのか。
そこを純粋に楽しみたいと考えました。

そこで今回掲げたテーマが、
「SASAKI SATORUが色を失った時」。

華やかなカラーパレットが印象的だった
2025年秋冬コレクションから、
あえてその“華やかさ”をすべて取り除いたとき、
ブランドの素の輪郭が
より鮮明に浮かび上がるのではないか。
そんな仮説から生まれた別注です。

黒と枯草色という
一見すると抑制された色彩を用いながらも、
確かに“色として認識できる”生地を選定し、
新たなアプローチを試みました。




そして今回、ルックを撮影するにあたり
写真表現にも一つのテーマを持ち撮影に臨みました。




江戸時代後期の禅僧であり禅画家でもあった
仙厓が描いた禅画に、
「まる・さんかく・しかく」
と呼ばれる作品があります。

この図は、円・三角・四角という
極めて単純な形によって構成され、
見る者に特定の意味を断定させない表現として知られています。

仙厓の禅画は、明確な解釈を提示することよりも、
鑑賞者それぞれの受け取り方に委ねる姿勢を特徴としています。

この作品については、
日本の禅思想を海外に広く紹介した思想家、
鈴木大拙が、自身の著作や論考の中で
取り上げたことでも知られています。
鈴木はこの図像を、
万物の根源や生成、展開といった思想と結びつけて論じ、
禅的思考の一例として位置づけました。

今回のルック撮影では、
この作品に見られる、日本的とも言える
簡潔で揺らぎのある線に着目しました。

円・三角・四角そのものを直接引用するのではなく、
その背後にある線の在り方を抽出し、
動きのある衣服の表情の中に
それらの線を見出すことを意識した写真表現を試みています。





生地には、織布から染色、仕上げまでの工程を
すべて日本国内で行ったサキソニー素材を採用しました。

ヴァージンウール混紡の生地に微起毛加工を施し、
その後、丁寧な刈り込みを行うことで表面を整え、
素材本来の質感を保ちながら
独特の艶感を残しています。

視覚的には色数を抑えながらも、
単なる無彩色ではなく、
「色を失った色」を視認できること。
その相反する要素を持ち合わせることが出来る
生地選定を行いました。

SASAKI SATORUの世界観に対しては
そのような実験的なアプローチを試みていますが、
同時にCETTENとしては、
今後展開していく
SASAKI SATORUをはじめとする
CETTENのセレクトするお洋服を
楽しむための基盤となるセットアップを提案したい
という考えもありました。

ファッションに親しみのある方はもちろん、
これから服について知っていきたい
と考えている方にとっても、
理屈を意識することなく、
無意識にその格好良さを感じ取れる
そのようなアイテムに仕上がったと考えています。






今回のローンチに際し、
12月20日から12月22日までの3日間、
京都店にてローンチイベントを開催いたします。

会期中は、アイテムの即売に加え、
フォトグラフィの展示を行い、
本別注にフォーカスした店内構成で
皆さまをお迎えいたします。

なお、会期中も通常通り営業を行っております。

また、別注アイテムをご購入いただいた方には、
今回のために特別に制作した
ポストカードをプレゼントいたします。

SASAKI SATORUとCETTENだからこそ生まれた、
本アイテムの世界観をぜひお楽しみください。

皆さまにお会いできますことを、
心よりお待ちしております。

では。


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Release date : 12/20 (Sat) 13:00
Launch event : 12/20 (Sat)-12/22 (Mon)
Place : CETTEN KYOTO

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店頭販売は12/20より京都店にて販売開始
12/23より大阪店でも販売開始となります。

オンラインストアでの販売は12/23 20:00を予定しております。

アイテムに関するお問い合わせなどは
インスタグラム、
またはオンラインストアの問い合わせページより
承っております。
お気軽にお申し付けくださいませ。

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