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2025/05/14 18:15

こんにちは。本店店長の山下です。
怒涛の周年入荷とGWを終えまして、
一昨日と昨日はCETTENとしてお休みをいただき
社員一同淡路島に息抜きをしてまいりました。


これはもう夏と言えるほど暑い気温の中、
やはり悩んだのは旅の装い。
服屋の人間が集まって旅をするのですから、
気合いを入れるに越したことはありません。
CETTENのスタッフは服の好みが千差万別。
それぞれのこだわりは多種多様です。
旅が始まり、最初の休憩スポット淡路島SA。
お手洗いを終えて僕たちが最初にしたことは、
スタッフ江島が履いてきたジーンズを撫でること。
異様な光景です。
せっかく都会の喧騒を忘れるための旅行。
気合い満点の旅コーデ、最も注目を浴びたのは
20471120(別称:トライベンティ)の
6ポケットジーンズでした。
「〜と近いシルエットやなあ。」
「このギミックに赤耳使うのおもろ。」
など景色そっちのけで眺めていました。
トライベンティのジーンズは
Levi'sの501XXをかなり変態的にサンプリングしたもの。
王道ジーンズをがっつりデザイナーズの手にかけた
ある種の作品です。
僕が惹かれた部分は、
トライベンティのような前衛的なブランドが
Levi’sをしっかり研究していることが伝わる点でした。
というのも僕も過去さまざまなLevi'sの名品たちに
憧れてきた一人。
最近よくテレビやYoutubeでも著名人の方々が、
ヴィンテージのデニムアイテムを
目が飛び出るほどの高値で手にした話をされています。
SNSを見ていても時折同じような
購入体験をされている投稿がちらほら。
「もう車買えるやん。」
と思いつつ羨ましさを込めていいねを押しました。
しかしコメント欄を開くと、、、
『なぜ古いデニムに高いお金を払うの?』
と胸にでっかい穴が開きそうなコメントが。
案の定その先の返信では
あれやこれやとディベートが始まっていました。
僕も自分に問いかけてしまう。
確かに古いデニムになんでこんなにハマるのだろうかと。
と同時に、これだけ世間で多くの方が
ハマる理由があるのではと思いました。
そして今回、
そんな疑問に答えが出そうな入荷がありましたので
アイテムの紹介を交えて
僕なりの考察をしていこうと思います。
ぜひお付き合いください。
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紹介するのはこちらの2点。
Levi'sのデニムジャケット、デッドストック品です。
何より注目は生産工場。

Levi'sのアイテムは、
ボタン裏の数字に生産工場が記されています。
これら2着の番号は「555」。
Levi'sファンの中では一番と言っていいほど有名な
バレンシア工場製です。
サンフランシスコのバレンシアストリートにて
1996年から2002年(または2003年)まで
LVCと言われるLevi'sの復刻ラインの生産を担っていました。
この工場自体、
役目は生地を織って服を作ることだったので、
一概に”生地がいい”というわけではありません。
しかし1983年で供給を停止した
ホワイトオークのシャトル織機生地を復活させたことと
シルエットの良さに定評がありました。
90年代以降LVCラインのUS生産が限られていたことや
555のナンバリングから工場が特定できる点など
相対的な部分でも人気には理由があります。
これまでCETTENでもバレンシア工場製のアイテムは
いくつか取り扱ってきましたが、
今回はデッドストック品。
1stモデルはおそらくワンウォッシュ、
3rdモデルは未洗いです。


さて、導入で僕は
『なぜ古いデニムが多くの人を魅了しているのか』
について問いかけました。
僕なりの結論は
時代が進み、技術が進歩するからこそ
偶発的に生まれた過去の遺物に魅力を感じるから。
正直今の技術なら、
昔は出来なかった生地の生産や縫製をすることも
逆に昔のような洋服を再現して作ること
そのどちらも可能です。
しかし、今でも人気を誇る所謂”古い服”は
その時代のニーズや世界の動きが影響して生まれた
「偶発的な洋服」
のような気がします。
そんな洋服の持つ偶然性に魅了されるわけです。
バレンシア工場製の服なんかは
誰かが復刻を作ろうとした点、
偶然ばかりではないかもしれません
しかし、
幻となっていた
ホワイトオークの生地を呼び覚まし
歴史が進んだ今なお評価される
シルエットに仕上げたこと、
ただ質がいいのではなく、
Levi'sらしさをしっかり感じさせる完成度に至った点は
その時代、その場所だからこそ
生まれたのではないでしょうか。

長々書きましたが、
どこに価値を感じるのかは人それぞれ。
とにかく僕は今回ご紹介した2アイテムに
ものすごく魅了されています。
Levi'sがお好きな方も、
ちょっと良いデニムに興味がある方も、
ぜひ一度ご覧になってください。
デニムほど経年に合わせて表情を変えて
”相棒”になれる生地は多くはありません。
(ちなみにデニムアイテムの育て方については
こちらに掲載しております)
このアイテムを目にして、
あなたの生活が彩られるイメージが湧けば、
それは運命かもしれませんね。
アイテム問わず、
CETTENはそんな洋服たちに
出会える場所でありたいと思います。
かなり長くなりましたが、
ここまで読んでいただいた皆様
ありがとうございました。
また、色々と語りたいタイミングで更新します。
その際は是非お付き合いくださいませ。
では。
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